私は入居相談の中で相談者の方から
「施設に入居したら献立を考えることや食事を作ることから解放されるわ」
「いつも同じ食事で栄養バランスまで考えていないのではないか」
「体調不良時にも食事を作ってもらえるので安心できます」
などの声を耳にすることが多いです。
どこでどのような暮らしをしていても、「食」は何よりも必要なものですよね。
老人ホームへ見学をされると、居室、共有設備、介護・看護・リハビリ・医療支援サービス、その他のサービス、レクリエーションやイベント等、そして食事の説明を受けます。
そして、食事はホーム選択の大きなポイントの一つでもありますので、今回の住まいの住み替え豆知識は、有料老人ホームの食事ついて触れてみることにしましょう!
まず、有料老人ホームで提供される食事は栄養士が必ず携わることで、1日の栄養バランスや摂取するカロリーを調整します。そして、できる限り入居者の方の要望を聞きながら、今までの食生活にできる限り合わせた献立を計画します。
栄養士は、毎日飽きがこない献立作成、季節感のあるメニュー、年間行事のイベント時の行事食、誕生日会やおやつなど、毎食に工夫を凝らしています。
また、持病をお持ちの方には、食べられない副食の変更、体調不良時には、おかゆや食べられるものに変更したり、通常の大きさでは食べられない方にはソフト食(食べやすいように刻んだり、飲み込みやすいようにとろみをつけた食事)を提供するなど、きめ細かな対応をしています。
有料老人ホームの食事は、通常は食堂やレストランで提供されますが、体調不良時には、お部屋での喫食も可能です。
また、飲酒は不可としている施設が多いですが、中には嗜む量を決めて晩酌ができる施設もあります。
次に食費にふれてみることします。
食費についてですが、朝食・昼食・夕食毎に費用が設定され、実際に喫食をした分を支払うのが一般的です。仮に1か月病院へ入院をした場合、食費は発生しないこととなりますが、入院をしていても費用が発生するホームもあります。理由は、厨房管理費として、食堂やレストランの人件費や厨房を維持するための費用として、全ての入居者に月々一定額を負担していただくからです。(パンフレットには、食費でなく食材費としているところもあります。)
食事の提供には、施設の職員が調理をする場合と委託業者による提供がありますが、どちらが良い、悪いということはありません。
いかにおいしい食事、楽しみの食事、お体の状態に合わせた食事を提供して頂けるかがポイントです。
「おいしい食事」と言っても、実際に有料老人ホームに入居をされて期間が経過すると、提供される食事の味に慣れて「飽き」がきてしまうこともあります。私は、ご自宅で食べられていたような家庭的な温かい食事が「おいしい食事」なのだと思います。
最後に、施設見学時に試食ができるホームもあります。食事を最重要と考えている方は、「食事付き施設見学」を見学予約時に事前に相談されることをお勧めしています。
全国有料老人ホーム協会のホームページで「食事付き個別見学会」の案内を随時更新していますので、ぜひご覧いただき皆様のホーム選択の一助となれば幸いです。
全国有料老人ホーム協会 業務アドバイザー
株式会社ケアプロデュース 代表取締役
安藤 滉邦