高齢者の住まいにおいての「安否確認」とは何でしょうか?
言葉の通り「安否確認」とは「入居者の生存を確認する」「入居者がどこにいるかを確認する」です。
有料老人ホームを運営する際に「このサービスは取り入れてください」という基準が設けられて、その基準の中に「安否確認又は状況把握」サービスがあります。
内容は、「入居者の安否確認又は状況把握については、安全・安心の確保の観点のみならず、プライバシーの確保について十分に考慮する必要があることから、その方法等については、運営懇談会その他の機会を通じて入居者の意向の確認、意見交換等を行い、できる限りそれを尊重したものとすること。」とあります。
有料老人ホームにおいての「安否確認」は、「入居者の方の状態を職員が目視」することを想定しています。では、有料老人ホームの1日の生活の中でどのように職員が入居者の安否確認をしているのか見てみましょう。
入居者のライフサイクルを起床から見てみると、職員は起床、朝食、入浴、昼食、おやつの時間、夕食、就寝前、就寝後3~4時間毎に翌朝の起床まで1日に10回前後の安否確認を行っていることとなります。つまり、2~4時間毎に入居者の安否確認を行っています。
日中においては生活の流れの中で安否確認を行っていますが、就寝後はスタッフが夜間巡回時において、「呼吸」をしているかの確認を行います。
(注:自立者でも拒否がない場合には同意を得て入室するケースもあります)
有料老人ホームは、在宅での生活と異なり24時間職員が家族の代わりに入居者を見守ることが標準のサービスとされているため、「誰かが見守ってくれている」という安心感がありますね。
「安否確認」は有料老人ホームにおいて行うべきサービスのため、安否確認を徹底すると職員が夜間就寝中に居室を巡回し「呼吸」をしているか確認することになります。眠りの浅い方は居室に入られると目が覚めてしまい睡眠の妨げなってしまう可能性がありますが、全ての施設が安否確認を取り入れているとは限りません。
特に夜間帯においては、職員が夜間巡回をする安否確認なのか、緊急通報装置(ナースコール)や室内に設置したセンサーが一定時間反応しない場合、自動的に報知する装置などによる状況把握なのか、各有料老人ホームによって安否確認の方法が異なるため施設見学時などに是非確認してください。
「安心・安全」のレベルに比例して利用料も比例しますので、どのような安否確認を行っているのかも有料老人ホームを選ぶ選択肢の一つになるのではないでしょうか?
全国有料老人ホーム協会 業務アドバイザー
株式会社ケアプロデュース 代表取締役
安藤 滉邦