~相談員コラム~
住替えのタイミングはいつ?
今は元気で一人暮らしを楽しんでいるけど、もし足腰が衰えたらどうしよう。調理や日常の家事、庭の手入れなどもつらくなってきた。老人ホームへの入居を検討しているけれど、友達に話すと「元気なうちにホームなんかに入ってどうするの」などと言われる。・・・日頃ご相談を受けていると、そんな声がよく聞かれます。
老人ホームのイメージはひとそれぞれです。
一般的には、介護が必要になったり、認知症になったりで自宅で暮らせなくなったら移る住まい・・・そんな印象でしょうか。そのようなタイプが介護型ホーム、つまり要介護・要支援の認定を受けた方が入居するタイプのホームになります。
一方、今は不自由なく自宅で生活できるけれど、元気なうちにホームに入居する方もいます。将来介護が必要となった場合に備えるとともに、日常の家事から解放されて充実したセカンドライフを楽しむ、これが自立型のホームです。元気な方向けの住まいですから、多くのホームでは多様なアクティビティ等を設け、入居者による様々なサークル活動が行われています。
介護型と自立型どちらを選ぶかは、まさに考え方次第です。介護型であれば自宅での生活が不安になり、必要に迫られて移る訳ですから決断は容易です。でも、事前の見学や自宅の整理、契約手続きなどをご自身で行う事はかなり大変で、ホーム選びにあたってはお子さんの意向が強くなります。
一方、自立型は元気なうちに自らの判断、決断で見学を行い自分の好みに合ったホームを選択できます。元気なうちから、将来の住まいについて考えるには、安心・健康・生きがいに満ちた自分なりのスタイルを描くことが大切です。
高齢化、長寿化が進む中で、早めに自分自身の将来の住まいを考え、方針を固める事がとても重要です。
(公社)全国有料老人ホーム協会 参与 倉田 久