伊豆高原〈ゆうゆうの里〉
「清々しい高原で悠々自適に暮らす」
有料老人ホームへの入居を検討されている皆様にあんしんできる住まい選びをしていただくため、協会で実施している【サービス第三者評価】を受審されたホームをご紹介します。
サービス第三者評価とは、ホームが外部の専門家による評価を受けることで、自分たちでは見えなかった改善点に気付き、質の向上に励んでいただくことを目的としている当協会の事業です。詳細は「こちら」をクリックしてください。
※「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」の評価結果は「こちら」からご覧ください。
今回ご紹介するのは2022年度にサービス第三者評価を受審された介護付有料老人ホーム「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉(静岡県伊東市)」です。緑豊かな国立公園の中に建つホームで、広大な敷地の中に、コミュニティセンターを中心として住居棟が点在しています。近隣には、城ケ崎海岸、大室山等の観光スポットがあります。周辺には、美術館やレストランが徒歩圏内にあり、ご入居者は、リゾート地・伊豆の自然を楽しんで暮らしていらっしゃいます。 「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」の施設長である房岡さん、生活サービス課課長の藤原さん、ケアサービス課課長の丸山野さんにホームでの取り組みについてお話をうかがいました。
※左からケアサービス課課長・丸山野さん、生活サービス課課長・藤原さん、施設長・房岡さん(2023年10月現在)
−−美しい自然を堪能し、生き生きした毎日を
事務局:伊豆高原〈ゆうゆうの里〉の特徴を教えてください。
房岡(「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」施設長。以下、房岡):当ホームは入居時自立型で、入居時の平均年齢は70.9歳です。お元気なうちに入居される皆さんは、年齢を重ねる不安から解放されて、毎日を楽しんでいらっしゃいます。伊豆らしい楽しみを盛り込んだホームで、温泉をひいた大浴場、緑あふれる敷地をめぐる遊歩道も整備されています。暮らしを支援するサービスとしては、アスレチックジムでのトレーナーによるトレーニングサービス、マイクロバスの運行、銀行・生鮮食品・理美容の出張サービス、多様なご相談に寄り添うコンシェルジュサービスなどがあります。ご入居者、ご家族、地域の方、職員が交流する場として、趣向を凝らした催し物も企画しており、バスツアー、近隣散策、昔遊び健康会、お花見、文化祭、餅つき大会などがご好評をいただいています。20以上あるサークルの活動も活発で、趣味を通じたご入居者間の交流が育まれています。
事務局:まさに、人生のプライムタイムを楽しむためのホームですね。介護や医療支援のサービスについてはいかがですか。
房岡:施設内には24時間体制で介護を提供する「ケアセンター」があり、お一人おひとりのケアプランに対応した介護サービスを提供しています。また、同じ財団が運営する「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉診療所」も敷地内にあり、ご入居者の定期健康診断を行うほか、病気になった時や怪我をした場合には迅速に診療を行います。日常生活の中で援助が必要になった場合には、掃除や洗濯など家事のお手伝い、買い物代行などのサービスもご利用いただけます。
−−接遇の根幹は、相手を大切に思う気持ち
事務局:第三者評価の「優れた取り組みと思われる点」に、職員全員が接遇マナーの向上に取り組んでいることが挙げられています。具体的な内容を教えてください。
藤原:(「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」生活サービス課課長。以下、藤原):新入職員は「接遇マナー研修」を3カ月にわたって受け、ご入居者を思いやった丁寧な言動を学びます。そして、自身の習熟度を「達成状況チェック表」で確認していきます。また、週単位で行う自己評価に対して、接遇マナー委員と各課の責任者が評価を行い、指導や助言をします。研修の最後には、受講者一人ひとりが「これからの取り組みシート」に半年後の具体的な目標を書き、目標達成を目指して日々の業務に取り組みます。その他に、全職員を対象とした「アンガーマネジメント研修」も行っており、自身の怒りのタイプを診断した上で、イライラの感情と上手に付き合いコントロールするスキルを学んでいます。当ホームのケアスピリットは、「私にとってあなたはとても大切な人」です。全職員が全業務において、この精神に基づいた行動を取ることを心がけています。
事務局:新入職員の時に接遇マナーを徹底的に身につけ、ホームのケアスピリットを体現していくのですね。「これからの取り組みシート」には、どのような目標が書かれているのですか。
藤原:「丁寧な言葉遣いを徹底する」「笑顔で親身になった対応をする」「ご入居者に信頼される職員になる」といった内容が多いです。私たち管理職や先輩職員は新入職員の成長を見守り、業務で悩んだときにはケアスピリットに立ち戻ろうと伝えながら、アドバイスや面談を行っています。
事務局:第三者評価には、職員と入居者相互間の挨拶等からも研修の積み上げによる成果を伺い知ることができたと書かれています。挨拶を基本としたコミュニケーションについては、どのような考えをお持ちですか。
藤原:職員一同、毎日しっかりと挨拶することで、気持ちよく過ごしていただこうと心がけています。ご入居者やご家族からも「気持ち良い挨拶をいつもありがとう」というお褒めの言葉をいただくことが多く、うれしく思っています。また職員の間でも、事務所に戻ってきたときに「お疲れ様です」と労い合うなど、意識して声を掛け合うようにしています。ご入居者と職員の間でも、職員同士でも、気持ちのよい挨拶があると、それに続く会話も弾みやすくなると実感しています。
事務局:職員同士の気持ちのよいコミュニケーションがあると、ホーム全体の雰囲気も明るくなりますし、離職防止にもつながりそうですね。
−−相談をしっかり拾い上げ、改善につなげる
事務局:苦情処理体制を強化して業務改善に役立てていることも、「優れた取り組みと思われる点」に挙げられていますが、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
藤原:私たちは、「苦情相談」と「生活相談」を切り分けずに一つのものと考え、ご入居者やご家族の相談事をたくさん受け止めて改善につなげたいと考えています。そこで、「施設の中はどこでも相談室」をモットーに掲げ、各サービス課、診療所、売店に相談責任者を配置し、日頃から気軽に相談していただけるようにしています。
事務局:売店にも相談責任者がいらっしゃるというのは、とても興味深いです。売店での相談はどのような感じなのでしょう。
藤原:お買い物にきたついでに相談責任者と雑談をして、「あっ、そういえば……」と、気になる点を話していただけるケースがよくあります。また、相談事を抱えている方も売店なら気構えずに話しやすいらしく、「何かあったらとりあえず売店に行って話す」という流れもできています。
事務局:気軽に相談できる環境を整えることで、ちょっとした困りごとの時点で芽を摘み取り、解決につなげることができるのですね。その他、ご入居者の声を拾い上げる工夫は何かございますか。
藤原:中には「対面では話しにくい」「話すより文章で伝えたい」という方もいらっしゃるので、「提案箱」を設置して、紙に書いて投稿もできるようにしています。
事務局:直接話すのが苦手なご入居者もいらっしゃるので、「提案箱」もよい取り組みですね。ちなみに、このような相談をこう解決したという具体例があれば、教えていただけますか。
藤原:まさに現在進行形なのが、インターネット環境の改善です。当ホームは市街地から離れた自然豊かな環境にありますので、ネット環境があまりよくないという不便さがありました。そしてご入居者から「インターネットを安定して快適に使えるようにして欲しい」という要望をいただいていました。そこで、中央のコミュニティセンターにフリーのWi-Fiを設置したほか、通信速度を上げる光回線の工事も進行中です。同時に、ケーブルテレビも観られるように導入中です。今後は、快適にインターネットをご利用いただき、多彩なテレビのチャンネルも楽しめるようになる予定です。
−−自分らしさを最期まで大切に
事務局:「優れた取り組みと思われる点」では、医療支援と介護の連携によって実施する看取り支援についても評価されています。ホームの看取り支援の取り組みについて、教えてください。
丸山野:(「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」ケアサービス課課長。以下、丸山野):私たちは、住み慣れた環境で、ご本人とご家族の希望に沿った看取り支援を行うことを心がけています。ケアセンターのご自分のお部屋で最期を迎える方もいれば、伊豆高原ゆうゆうの里診療所でお看取りする方もいますが、いずれの場合にも、普段からご本人をよく知っている職員がケアを行い、アットホームで和やかな雰囲気を大切に、見送らせていただいています。
事務局:ご本人やご家族の希望は、どのように把握されているのでしょう。
丸山野:ご入居者がお好きなものやご趣味については、職員が日々お話をしながら蓄積した情報をパソコン上の「ケアカルテ」に記録し、職員全員で共有しています。そして終末期には、お好きなものを取り入れたケアを行わせていただきます。例えば、音楽がお好きな方にはお部屋でお気に入りの歌を流したり、宝塚がお好きな方には歌劇のDVDを観ていただいたり、編み物がお好き方には編み物の道具をお渡ししたり、楽しんでいただけることや安らいでいただけるものをご提供しています。また、「好きなものを食べたい、食べさせてあげたい」というご希望も多いので、なるべく工夫して召し上がっていただいています。最近では、栗が大好きだったご入居者のご家族が冷凍した茹で栗を送ってくださったので、潰して牛乳でのばして、ペースト状にして召し上がっていただきました。終末期のケアについて、ご家族からいつもたくさんのヒントをいただき、本当に感謝しています。
事務局:看取り後には「思い出カンファレンス」という場を設けているそうですが、こちらはどういったものですか。
丸山野:看取りに関わる職員にとって、人の死と向き合うことは迷いや不安が大きいものです。そこで、ご入居者を看取ったあとに一人ひとりの反省や振り返りをそのまま心の内に秘めて業務を続けるのではなく、一度しっかり振り返る機会をつくろうということで、「思い出カンファレンス」を行っています。カンファレンスの場では、「ご希望に沿った終末ケアができたか」「この看取りで何を学んだか」などを職員同士でじっくり話し合っています。そして、反省点や改善点を、いま目の前にいらっしゃるご入居者のケアに役立てています。
事務局:看取り支援とは、ご入居者お一人おひとりで完結するものではなく、振り返りを重ねてずっとつながっていくものなのですね。「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」では、お元気なときから最期のときまで、その人らしさを大切に、充実した時間を過ごしていただくためのサービスを提供されていることがよくわかりました。本日はお忙しいところお話をお聞かせていただきましてありがとうございました。
※「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」外観写真
「伊豆高原〈ゆうゆうの里〉」 類型及び表示事項
類型 |
介護付有料老人ホーム (一般型特定施設入居者生活介護) |
居住の権利形態 |
利用権方式 |
入居時の要件 |
自立 |
利用料の支払い方式 |
全額前払い方式 |
介護保険 |
静岡県指定介護保険特定施設(一般型特定施設)・介護予防特定施設 |
居室区分 |
全室個室 |
介護にかかわる職員体制 |
2:1以上 |
【お問い合わせ先】 0120-084-605
〒413-0232 静岡県伊東市八幡野1027
〇温泉表示
加水・加温・循環ろ過
〇介職員体制(2023年10月現在)
週40時間換算で常勤介護職員53人(うち要介護者等対応40人)・看護職員10人(うち要介護者等対応4人)、夜間(20:00~翌5:00)最少時は介護職員4名、看護職員1名
〇協力医療機関
伊豆高原〈ゆうゆうの里〉診療所
運営:一般財団法人日本老人福祉財団(同財団とは別に設置・運営)
協力科目:内科
協力内容:健康診断(年1回)、健康診査(月1回)、緊急時 の対応、他の医療機関への紹介、健康相談(月1回)
※医療費その他の費用は入居者の自己負担
〇事業者からの解約事項について
入居者の行動が、他の入居者又は事業者の役職員の生命・身体・健康・財産(事業者の財産を含む)に危害を及ぼし、ないしは、その危害の切迫したおそれがあり、かつ有料老人ホームにおける通常の介護方法及び接遇方法ではこれを防止することができないときや、入居者又はその家族・連帯保証人・身元引受人・返還金受取人等による、事業者の役職員や他の入居者等に対するハラスメントにより、入居者との信頼関係が著しく害され事業の継続に重大な支障が及んだときに、本契約を解除することがあります。