(ご家族からの質問)
叔母が夫婦で有料老人ホームの広い二人用の部屋に入居していた。夫が亡くなり一人になったため、叔母は1人用の部屋に移りたいと思い、ホームに相談した。部屋が空いたため、ホームから1週間以内に部屋を移って欲しいと言われたが、急だったので断った。結局、当初の二人用の部屋に、料金も当初のまま居住することになった。契約書には入居後の一般居室への住み替えに関する規定はないのだが、住み替えはできないのか。
≪相談者に対する苦情対応委員会のコメント≫
入居契約書に入居後の一般居室への住み替えに関する規定がない場合、ホームとの話し合いにより、住み替えができるかを決める必要があります。1人用の居室への住み替えをホームが認める場合は、あくまで特例措置であるため、移転の時期等はホーム側と話し合いによって決めざるを得ません。今回の相談では、ホームからの提案に対し、ご入居者は一旦断っていますが、ホームが住替えの相談に関して継続的に応じてくれる場合は、継続して住替えの話を行ってください。
~入居を検討している方へ~≪トラブル回避のためのチェックポイント≫
住み替えに関しては必ず契約時に入居契約書を確認してください。二人で入居する時には広い部屋が良いと思う方も多いですが、一人が亡くなると急に部屋が広く感じたりするものです。いろいろなケースを想定して入居契約をする前にホームに確認をする事が大事です。
(参考)
有料老人ホーム設置運営標準指導指針
12 契約内容等
⑵ 契約内容
六 一定の要介護状態になった入居者が、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約の場合にあっては、次の手続を含む一連の手続を入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。また、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える場合の家賃相当額の差額が発生した場合の取扱いについても考慮すること。
イ 医師の意見を聴くこと。
ロ 本人又は身元引受人等の同意を得ること。
ハ 一定の観察期間を設けること
景品表示法指定告示 有料老人ホームに関する不当な表示
(居室の利用についての表示)
5 有料老人ホームの入居者の居室についての表示であって、次の各号の一に該当することがあるにもかかわらず、そのことが明りょうに記載されていないもの
一 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替えること
二 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、住み替え後の居室の一人当たりの占有面積が当初入居した居室の一人当たりの占有面積に比して減少すること
三 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、当初入居した居室の利用に関する権利が変更又は消滅すること
四 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、入居者が住み替え後の居室の利用に関し、追加的な費用を支払うこと
五 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、当初入居した居室の利用に関する費用について、住み替えによる居室の構造若しくは仕様の変更又は住み替え後の居室の一人当たりの占有面積の減少に応じた調整が行われないこと