(ご家族からの質問)
母親が介護付有料老人ホームに入居しており、そのホームの重要事項説明書のサービス一覧には、ホームのサービスとして協力医療機関への通院介助「あり」となっているが、ホームから家族が通院介助をするように言われたとのこと。介護付有料老人ホームの場合、協力医療機関への通院介助はホームが介護保険内のサービスとして提供するものではないのか。
≪相談者に対する苦情対応委員会のコメント≫
介護付有料老人ホームの場合、介護保険制度では、協力医療機関への通院介助について、介護保険内のサービスとして提供することになっていますが、回数など具体的な内容はホームごとに異なり、管理規程等に定められています。
ただし、管理規程で定められた月次回数以内であっても、例外的に、例えば急な通院の必要性が生じた等、ホーム側のシフト等の都合で対応できない場合はご家族に協力を求める場合もありえます。そのため、通院介助は何日前までにホームに申し入れておけば対応可能であるのか等、予めホームに説明を求めてください。
~入居を検討している方へ~≪トラブル回避のためのチェックポイント≫
契約前に、入居契約書や管理規程、重要事項説明書などでホームが提供するサービスの「具体的内容」「費用額や考え方」「提供する場所」について、確認してください。
(参考)
公益社団法人全国有料老人ホーム協会 有料老人ホーム標準入居契約書(6 訂版)
(介護サービス)
第12条 設置者は、次の事項を管理規程に定め、入居者に介護サービスを提供します。
一 入居者に提供する介護サービスの具体的内容
① 入居者の心身状況等の把握方法
② 提供する入浴・排泄・食事等の介護、その他日常生活上の支援又は世話、機能訓練及び療養上の世話の具体的内容
③ 入居者が負担する介護サービスの費用
二 介護サービスを提供する場所
三 夜間を含め介護サービスを提供する看護・介護職員等の配置状況
2 入居者は、特定施設等の介護給付を受ける場合は、本契約とは別に設置者と利用契約を締結します。当該契約に伴い必要となる費用は、利用契約書に規定します。
3 設置者は、入居者に対してより適切な介護サービスの提供のために必要と判断する場合には、本契約に基づくサービスの提供の場所を目的施設内において変更する場合があります。
一 設置者は、入居者に対し介護居室への住み替えを求める場合は、 次の手続きを行います。なお、それぞれの手続きは書面にて確認します。
① 設置者の指定する医師の意見を聴く
② 緊急やむをえない場合を除いて、一定の観察期間を設ける
③ 居室の権利や前払金又は月払い利用料の額その他の本契約内容に重大な変更が生じる場合は、次の項目について入居者・連帯保証人及び身元引受人等に説明を行う
ア 居室の権利の変動
イ 居室の変更及び居室の占有面積の変更に伴う費用負担の増減又は費用調整の有無
ウ 提供する介護サービスの変更内容
④ 入居者及び身元引受人の同意を得る
二 設置者は、入居者に対し介護サービスの提供の場所を一時介護室に変更する場合は、次の手続きを行います。なお、それぞれの手続きは書面にて確認します。
① 設置者の指定する医師の意見を聴く
② 入居者の意思を確認する
③ 身元引受人等の意見を聴く
特定施設入居者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について(平成12年3月30日老企第52号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抄)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000080900.pdf