「介護の経験から見つけた、
私たちらしい老後の暮らし」
ご入居者様 K様ご夫妻(ご主人70代、奥様 60代)
ご入居時期 2024年6月
お話を伺った方: ご本人様
取材日:2025年5月
有料老人ホームへの入居を考えるとき、「他の人はどう選んだのだろう?」と気になる方が多いようです。入居への不安が和らぎ、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなるよう、実際に入居を決めた方々の声をご紹介します。今回は、将来への不安を前向きに乗り越え、自分たちらしい住まいを選んだK様ご夫妻をご紹介します。
親の介護経験から住み替え検討
相談員:2024年6月にホームへご入居されていらっしゃいますが、老後の住まいについて検討をはじめたきっかけを教えてください。
K様(ご主人):妻の母親(要支援)を自宅に引き取り在宅で介護を行ったことがきっかけです。階段に手すりを設けたりしたが、転倒、骨折、入院。退院後はデイサービス等を活用しながら在宅で対応し最後は病院にて看取りました。介護、看護の期間は約10年間。夫婦ともに働いており、息子に頼ることも難しく精神的、肉体的、また経済面でも苦労が大きかったです。
このような経験から、自分たちに介護が必要となった場合、自宅で過ごすことは困難であり、また介護の苦労を息子に負わせることはできないと考え、将来的な住み替えを検討しはじめました。
元気なうちに安心できる住まいを見つけるために
相談員: 入居先を決めるまでどのような活動をされたかを教えてください。
K様(ご主人): 情報収集、検討の開始は、私は60代前半、妻は50代半ばから着手しました。入居のタイミングとしては、男性の健康寿命が72歳ということを念頭に、私が70歳になるまでの入居を目途としました。
当時は、私が現役であり、主に妻が見学を担当し、約20施設を訪問しました。分譲型シルバー向けマンション、サ高住、住宅型ホームについても調べましたが、やはり介護の安心感、ソフトの充実度を重視し『介護付きホーム』、ならびに元気なうちに自らの決断での住み替えることを前提に『自立型』に絞って探しました。
K様(奥様):自宅への思い入れもありましたが、介護が必要となった場合の家族への負担、訪問介護が円滑に行われるかといった不安からホームへの住み替えを検討しました。主に、ホームのホームページ、取り寄せたパンフレット、資料、ホームで暮らす知人から感想を聞くなどして情報収集をしていました。
暮らしを支える充実の環境
相談員: 見学や資料請求など、たくさん情報収集をされた中で、現在のホームへ入居を決めた決め手になる事はありましたか。
K様(ご夫妻): 自立型ホームのなかでも、介護体制が充実し、介護居室、リハビリステーションのほか敷地内にクリニック、フィットネスクラブが併設されるなどソフト面が充実していることが決め手となりました。また、食堂運営を外部の業者に委託しているホームが多い中、自前で食事を提供している点も魅力でした。
クリニック・フィットネスクラブ(※写真はイメージです)
住み替え前の思わぬ大仕事
相談員:ご入居先の決定や実際の入居までの間にご苦労されたことはありましたか。
K様(ご夫妻):やはり入居先の居室面積にあわせた、家具、持ち物などのダウンサイジングが大変でした。引っ越し業者を選定する中で、家具や不用品の廃棄、買取も行う業者を選んだが、それでもトラック1台分の不用品を市の施設で廃棄しました。
また、部屋が確保できてから、自宅の売却に動きましたが、入居金の支払い期限までに売却できるかが不安でした。価格は下がるが確実に売却できる業者による買取も検討したが、結果としてタイミングよく売却できました。
住み替えについて息子も問題なく同意し、身元引受人、連帯保証人にもなってくれて、介護の不安、負担から解放されることに安心を感じてくれたようです。
交流の幅も広がり充実した毎日
相談員:新しい生活が始まってから、日々どのように過ごされていますか。 ご趣味や交流の様子など、実際の暮らしぶりについてお聞かせください。
K様(ご主人):学生時代よりフルートを演奏していて、大学時代は吹奏楽部で活動していました。入居を機に、市のシニアオーケストラに加入し、週1回の練習のほか、老人ホームへの慰問演奏などにも取り組んでいます。来年1月には、ホームのステージで、オーケストラの演奏会の開催が予定されています。
K様(奥様):ホーム内のマージャンサークルに参加したり、併設のフィットネスクラブで毎日汗を流しています。また、クラブは、ホーム入居者以外に近隣の方も利用されていることから、近隣の方との交流も広がり、親しい友人と国内・海外旅行を楽しんだりしています。
マージャンサークル・ホールでのコーラスサークル発表会(※写真はイメージです)
相談員:最後に、ホームへの入居をご検討されている方へのアドバイスをお願いしいます。
K様(奥様):ホームを選ぶ際に、何を重視するのかを明確にすることが大事だと思います。立地、都心への出やすさ、居室の仕様など重視するポイントは人それぞれですが、私は、介護、医療の安心感とソフトの充実(ホーム内のサークル活動、多様なイベント等)に重きを置いていました。
K様(ご主人):私は、事業主体の健全性については十分な確認が必要だと感じています。どのような事業主体が運営し、どんな関連事業を展開しているか。財務状況なども重要な要素だと感じています。
相談員:自宅での生活に何の支障もない元気なうちに、あえてホームに住み替えるという決断が難しいのではと感じていましたが、今回、お話を伺って、男性の健康寿命(72歳)を念頭に入居のタイムリミットを定め検討を始めたKさんご夫妻のお考えがとても新鮮でした。
ホーム内での他のご入居者との付き合いはもとより、市民オーケストラへの参加やスポーツジムでの交流を通じ、外部の方との関係性も広め深めていく暮らしぶりに、自立型ホームの特色、魅力を改めて感じました。
本日はお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。
(インタビュアー: 相談員 倉田 久)
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