1.ご家族からの相談
現在、家族が有料老人ホームに入居していますが、居室内に置いていた私物および現金が紛失していることに気づきました。この件についてホームに伝えましたが、明確な対応や説明がなく、問題が解決されません。どうすればよいですか。
2.押さえておきたいポイント
・まずは、できる限り具体的かつ客観的に事実関係を整理してください。
「いつ」「何が」「どこにあったのか」、それが紛失したことにいつ気づいたのか、これらの情報を整理したうえで、ホームの管理者に報告・相談してください。
ホーム側が対応してくれない場合は、ホームを運営する法人の本部窓口に相談してください。
・紛失・盗難が疑われるようであれば警察に被害届を提出することも検討してください。「大ごとにしたくない」と感じる方も少なくありませんが、警察に届け出を行うことで、今後の再発防止や他の入居者の安心にもつながります。
3.これから入居を検討する方へ
ホーム内は複数の職員・他の入居者が出入りする共同生活の場であることを意識する必要があります。
有料老人ホームの私物管理に関する規定やサービス内容を確認してください。
入居者の私物については、原則として、入居者自身で管理しなければなりません。
ただし、認知症や身体機能の低下等により自己管理が困難と判断される場合は、入居前にホームに相談のうえ、私物管理のルールを定めて書面で残しておきましょう。
(1)貴重品・現金は最小限に
・日常生活に必要のない高額な現金や貴金属、宝石類などは持ち込まない。
・必要な場合は、家族が管理するか、ホームと保管方法を相談する(ホームによっては金庫の貸与やフロント預かり対応あり)。
(2)管理方法を工夫する
・持ち込んだ私物の写真やリストを事前に作成しておく(特に高価なものや大切な記念品)。
・居室を空ける場合は、施錠する。
・貴重品がある場合は、固定式の金庫などで管理する。
・私物には、記名して自分の物であることを明確にする。
(3)異変に気づいたらすぐに記録・報告
・私物の位置や状態を日常的に把握し、異変があった際には日時・状況を記録する。
・必ず速やかに職員に報告し、家族にも共有する。