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入居者インタビュー記事『「相続人がいない私」だからこそ考えた、老後の住まいと人生設計』

『「相続人がいない私」だからこそ

考えた、老後の住まいと人生設計』




ご入居者様 F様(
70) ご入居時期 20252

お話を伺った方: ご本人様

取材日:20256


有料老人ホームへの入居を考えるとき、「他の人はどう選んだのだろう?」と気になる方が多いようです。入居への不安が和らぎ、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなるよう、実際に入居を決めた方々の声をご紹介します。

今回は、将来を見据えて、自分の足で老後の住まいを選んだF様をご紹介します。


将来を見据えた住替え

相談員:20252月にホームへご入居されていらっしゃいますが、老後の住まいについて検討をはじめたきっかけを教えてください。



F様:入居前は戸建てに一人暮らしでした。家が古くなってきて高いところも自分で脚立を使って修理していましたが、近所の人が脚立から落ち
て腰を打った話を聞き不安になりました。また、庭が広かったので植栽の手入れが面倒で大変でした。


相談員:きっかけは今お話しいただいた内容なのでしょうか。             


F様:今、お話ししたことはそんなにたいしたことではなく要因のひとつではあります。年齢的にも、将来を考えないといけないと思ってはいま
した。相続人が誰もいないので不動産を残して居なくなることは親戚に迷惑が生じるので、不動産は生きている内に処分したほうが良いとの結論に達しました。

売却したときに自分の住むところがなくなるのでマンションとか賃貸とか考えましたが、数年前に親戚に呼ばれて、東京に行く機会があり、その時の引っ越しが結構大変だったので、今後また歳を経ての引っ越しは身体的に厳しいだろうと思い、不動産を処分したあかつきには有料老人ホームのような施設が良いのかなと考えていました。


自分の足で探した安心感

相談員:具体的にはいつ頃から動かれたのでしょうか。

F様:2年くらい前で、親戚から呼ばれて東京に住んでいましたので、最初は東京都内で探そうと思ってホームをあたったのですが、良いと思っ
たホームは費用が高額であきらめました。地元の家がまだ売れる前であったので、一度地元にもどり、地元にあるホームをいくつか見学しました。


相談員:色々とお話を聞いた中で、地元や東京でホームを探されたとのことでしたが、ホーム選びの際にセミナーへの参加や当協会のリビング

俱楽部等の活用など、どのように情報を収集されましたか。

F様:セミナーに参加したり、読み物で情報収集したりすることはありませんでした。本音のところは日にちがあったので、自分の目で見て環境も確かめて、季節毎にも見学しました。

相談員:体験入居についてはいかがしょうか。

F様:体験入居はしませんでした。今のホームには1年間に34回見学しました。季節、時間もおいて来ているので、その時その時で見ながら雰囲
気的に少しわかれば良いかなと思いました。

決め手は昔なじみの地知人の存在

相談員:資料請求や見学をされた後で入居を決められた理由、経緯についてどのような基準で今のホームを選ばれましたか。

F様:建物が新築できれい。新築の部屋に入居できるということが魅力的。ホームのある土地が子供のころに住んでいたので環境にも慣れて
いた。違和感がなかったことですね。

相談員:土地勘があったということですかね。ホーム選びにとって慣れた環境を継続できることは重要な要因のひとつですよね。

F様:かもしれないですね。歳をとって場所を変えるということは、南国から北国へとまではいかないですが。入居検討当初に住んでいた東京で
は、皆さん良くしていただき、お友達もたくさんでき、楽しいのは楽しかったのですが、いざ住むとなると、何かが違うなという感じでいて。

東京では自分の肌に馴染まないとは言えませんでしたが、歳をとると目に見える景色とか環境は大きいと思い、住み慣れた地元での生活を選びました。


相談員:決めてということで伺いましたが、サービス内容については事前に確認されたのでしょうか。

F様:聞きました。聞きました。食事は見学時にいただきました。緊張もしていたので、リラックス状態で食べたのではなかったのですが普通の味付けでした。食器がプラスチックかなと思ったのですがちゃんと瀬戸物で、自宅で食べるような食器で食事がでてきたのでこれは良いかもと思いました。それから、一番の決め手としては地元のご近所の知り合いの2家族の方が既に入居されていたことです。

相談員:それは良いですね。ところで入居されてからも食堂は利用されていますか。

F様:お昼にいただいたり、メニューを見て行こうかなと思ったり、入居者に誘われたらじゃあ行こうかで行ったりしています。

相談員:自炊と合わせていらっしゃるということですね。

F様:3食のうち2食は自炊しています。

相談員:入居に際して親族のどなたかに相談されましたか。

F様:東京の親戚に相談しました。親戚は私が年齢的に若いことや、親戚自身が親の介護の経験もあり心配していたので、今度行ったらこれを聞いてこいとだいぶ言われました。かなりそういう面では心配はしてくれたし、アドバイスはもらいました。入居を決めた時には、家を販売に出して直ぐに売れたことと、今のホームは34回見学していたし、以前に住んでいたところのご近所の2家族が入居されていて、あの方々が居ることが心強いので、もうここに入ることを決めてから親戚に言いました。

相談員:ご近所の知り合いの方が既に入居されていたことは心強いですよね。

F様:ありがたかったです。感謝しかありません。いまだに感謝しています。

相談員:その方々とは入居後もお付き合いされているのでしょうか。

F様:私は車がないのでどこか行くときには声をかけてくださり、食事に行かないとか誘ってくださいます。3家族5人で食べに行ったり、
また、前に入居された方々と合流して食べにも行ったりしています。 


人との縁に支えられ広がる交友の輪


相談員:
入居して3カ月とのことですが新しい生活がはじまってから、日々の過ごし方で例えばホーム内での様子など、入居前と比べて変わられたことはありますか。


F
様:外向きになりました。自宅から出るということであれば、外出以外にホームの中でのクラブや文化教室に入ってみたら、世話役の方が同じ
会社に勤めていた方だったとか。不思議というか知っている方が居るということは本当にありがたいことです。


相談員:入居されているホームは比較的大きなホームですが、そのような中でお知り合いがいるということは心強いですよね。


F
様:私みたいな方はあまりいないと思いますが、多くの入居者がいれば人間関係もややこしいだろうし、あまりこぢんまりとした雰囲気やファミ
リー的なところよりは、人数の多い方が人間関係もバラけて良いかなと思います。それもホーム選びの大きな理由でした。入居してみたら知り合いの人がポコポコといてありがたいなと。


相談員:事前にお話しさせていただいた時にボランティア活動をされているとのことでしたが、ボランティア活動は入居後も続けようと考えていらしたのでしょうか


F様:入居前は考えていませんでしたが、入居後に、知り合いが地元に戻ってきているという連絡を受けた際に誘いを受け、今はボランティアで病院で利用者の医療費の支払支援や車椅子での送迎などを行っています。


想定外のご近所問題に退去を考えることも・・・

相談員:入居して困ったことや入居前と違うということがあれば差しさわりない範囲でお聞かせいただけますか。

F様:入居後3か月以内の退去は利用分を除いて前払金が戻ってくるということを聞いていましたので、その制度を利用しようかと思うくらい、ストレスがたまることが起きました。

相談員:今までのお話からは想像がつきませんが。

F様:最初は、いかにご近所の知り合いがいても言えないことはありますよね。毎日のように電話をかけてきたり、長時間しゃべる入居者。そういうことがあっていい加減にやめてほしいと思い、入居したてなので言うわけにもいかないと思いましたが、ある日、意を決して先方に電話はやめてほしいと言い、事務所にも連絡して3か月以内の退去も考えていることを伝えました。

相談員:事務所としての対応はどうでしたか。

F様:事務所としては対個人間の話になるので間にはいることはできないかもと言われました。

相談員:その後は落ち着いているのでしょうか。

F様:自分で先方に電話してこないようにと言ってから電話はきていません。

相談員:話しづらいことを聞いてしまい申し訳ありませんでした。

F様:このようなことも実際はあるということで、あえて話をさせていただきました。綺麗ごとだけでなくこういうこともありますと知っておいてもらっても良いのかなと思います。


ホームで味わう知的なひととき

相談員:ホームで気に入っているサービスはありますか。


F様:ホームで実施される大人の教養講座は興味深い内容で楽しみにしています。入居者同士であまり話をしなくても時間が過ぎて講師の話を聴くということだけなので面白いです。

相談員:一般の住宅にいれば地域で開催する講座もありますが、会場まで出向くと大変なところをホーム内の移動だけで聴講できることは魅力的ですね。

F様:わざわざ電車に乗っていかなくても良いことはありがたいことです。大学の先生とかが来てくださることもありがたいです。


ネット情報は一面だけ、選ぶ前に知るべき違い

相談員:これから入居を考えている方へのメッセージとして、入居前に知っておいた方が良かったと思うことはありますか。


F様:
入居中のホームは「住宅型有料老人ホーム」なのですが、「介護付有料老人ホーム」との区別が良くわかっていませんでした。
その辺はきちんとおさえたほうが良いかもしれません。


相談員:ホームの類型をきちんと理解しておいた方が良いとのことですね。


F様:重要事項説明書ももらっているのできっちりと読み込んで、介護になった場合も確認しましたが、ホームからあまり深いところまでの説明はありませんでした。私もさらっと流してしまった経緯もありますが。


相談員:手前味噌で恐縮ですがリビング倶楽部はお役に立ちましたか。


F様:県別のホーム一覧があり、自分の地域のホームを探す際に利用していました。良かったと思います。また、何も手元にないよりは良いと思います。スマホでも情報は収集できますがどうしても良いことばかりしかでてこないので。その他は、先日、私が入居するときの担当者と話しをした時、最近の入居者の方は廊下とか歩いているときに、他の入居者にどんな感じですかと声をかける方が結構いらっしゃるとのことです。その意味では入居者が検討される方に話す内容は結構影響が大きいと思います。入居者の生の声といってもそんなに深いところまでは話さないかもれませんが。


面倒でも大切な縁

相談員:お話を聞かせていただきありがとうございました。

最後に、これから有料老人ホームを考えている方に一言お願いします。



F様: これはどうしようもない話だと思いますが、他のホームの話で入居者の派閥が大変だと聞きました。世間一般の評判は耳に入れておいた方が良いかと思います。


相談員:長い時間を過ごすうちに、集団で生活するホームでは同様の事例を聞くことがあります。ただし、近所付き合いと同じで大きなホ-ムであれば、誰かに会いたくないときは会わないようにすることは可能かと思います。


F様:自分でコントロールすることはできると思います。あまり気にしない方が良いかもしれません。お友達も徐々にできてきて、声をかけてくださる方もいます。人間関係が面倒くさいなあと思っていましたが、面倒くさいと思う反面、人間関係で助けられることもあります。それは本当に感じました。

相談員自立型の比較的大きなホームでの日常生活のお話は、ホームへの入居を検討されている方々にとって本当に参考となる貴重なお話でした。本日はお時間をいただきありがとうございました。

 

F様は相続人がいないため不動産を売却し、ご自身の住まいとして有料老人ホームを探し始めました。地元以外の地域も検討し、季節や時間を変えて見学するなど工夫を重ね、納得のいく施設を自分の目で確かめて入居を決断。知人が先に入居していたことも心強く、感謝されているそうです。入居直後には苦しい経験もありましたが、それも含めて現実を知っておくことが大切と語られ、実際の生活を知る貴重な内容でした。

(インタビュアー: 相談員 渡邊 敬章)

 
 

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