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会員ホームの取り組み紹介インタビュー

会員ホームの取り組み紹介インタビュー

2022.09.15会員ホームインタビュー記事「クラーチ溝の口」

クラーチ溝の口

「住み慣れた居室で最後まで暮らす」

 

有料老人ホームへの入居を検討されている皆様にあんしんできる住まい選びをしていただくため、協会で実施している【あんしん宣言】に取り組まれているホームをご紹介します。

 

あんしん宣言とは、法令等に基づき6つの項目について、ホームが自ら点検を行うことで、入居者に安心・安全をお届けするものです。詳細は「こちら」をクリックしてください。
「クラーチ溝の口」の【あんしん宣言】は「こちら」よりご覧いただけます。

 

今回ご紹介するのは2022年度に【あんしん宣言】された、介護付有料老人ホーム「クラーチ溝の口(神奈川県川崎市)」です。

クラーチ溝の口は、緑豊かな川崎市津田山に、20034月にシニア住宅として開設されました。ご入居者に長く住んでいただくために、その当時では珍しかったシアタールーム、カラオケルーム、麻雀ルームなど共用部を充実させ、ご入居者の皆様が生きがいを持ち楽しめる環境を提供しています。その後、特定施設入居者生活介護の指定を受けて、お元気なうちからご入居いただき介護が必要になれば専門のスタッフの支援を利用しながら最後までお住まい頂くことをコンセプトに、ご入居者の皆様が生き生きと過ごせるホームを目指して、日々職員の皆さんが努力されています

 

クラーチ溝の口の支配人である高橋さんにホームでの取り組みについてお話を伺いました。

 

クラーチ溝の口」高橋支配人

 

-安心して暮らしていただくために-

 

事務局20226月に【あんしん宣言】を公表していますが、公表した経緯を教えてください。

 

高橋(クラーチ溝の口の支配人。以下、高橋):営業担当者から、全国有料老人ホーム協会が入居者の安心と安全を守るために【あんしん宣言】を策定していることを聞きました。1人でも多くの入居検討者様、また将来不安に思われている方たちに、ホーム運営の取り組みを知ってもらい、安心してホームに入居してもらえるよう自主点検をし、公表しました。入居検討者、ご家族がホームを選択するときに、ホームの情報に触れる機会を得られて良かったと思います。

 

事務局【あんしん宣言】の項目(ホームの運営理念、情報公開、入居者の権利擁護、職員の業務スキル向上、適正な入居契約の締結)の中で重点を置いた項目はありますか。

 

高橋ホームの運営理念です。当ホームは『「あるべき姿を実現し、明日はもっと輝く生活を」 を具現化し、高齢者をどうするかではなく、高齢者はどうされたいのかという視点から一人 ひとりの生き方や、生活を応援して、明るく豊かな 生活の実現に寄与します。 』という運営理念を策定し、入居検討者にはホームページで、入居者には運営懇談会で周知しています。

 

事務局:ホームの運営理念に基づいた、具体的な取り組みがあればご紹介ください。

 

高橋ホームに入居した後、同じ趣味や共通の話題でたくさんの仲間と共に元気に過ごしていただくために、ご入居者がやりたい事のお手伝いを積極的にさせていただいています。

ホーム側が用意した既存のプログラムに取り組んでいただく事もよいことですが、皆様の自主性を重んじ、積極的に活動されることが長続きの秘訣と考えています。

その為に、ご入居者から〇〇をしたい、〇〇のサークルを作って楽しみたいなどの声を具現化しています。ほんの一例ですが、ダンスサークルや剣術教室、読書の会などはご入居者からの声で立ち上がりました。

ホーム職員は、お仲間を募集するポスターを作成したり、活動場所の確保や設営、講師が必要な場合には渉外担当も担います。また、発表の場を設けて日ごろの成果を披露していただく事もあります。

さらに、外部へ発表の場を広げるサークルもあり、オリジナルウエアの作成などのお手伝いをするなど、いつまでも輝いていただくために常に応援させていただいております。

 

事務局:ホーム職員が、ご入居者お一人おひとりの自主性ややりたい事を大切にし、充実した生活が送れるように取り組んでいることがよく分かりました。

 

-住み慣れた居室で最後まで過ごす-

 

事務局:あんしん宣言の最後の項目にある運営上特に力を入れている事項として「お元気なうちからご入居頂き、将来介護が必要になっても居室を移り変わることなくお過ごしいただけます。」とありますが、取り組みの内容についてお聞かせください。

 

高橋:当ホームでは介護が必要になっても、最初に入居した居室で最後までお過ごしいただけるように取り組んでいます。

ホーム開設当時お元気な状態で入居したご入居者も、19年が経ち現在240名のうち、要支援・要介護の方が110名います。ご入居者の高齢化と状態変化に伴い、看護師も24時間体制にし、これからの看取りのニーズに対応できる体制を敷いています。

また、介護棟等の介護居室にお客様に住み替えていただくのではなく、ご入居者には入居した時から最後まで居室を移り住むことなく入居当初の居室で安心して暮らして頂けるようになっています。

ホームは、居室数246室、フロアは6階まであり、建物幅も100m以上あります。スタッフは、2階のステーションから各居室に移動しサービス提供するため、居室までの移動距離が長く非常に大変ですが、皆さん日々ご入居者のために頑張っています。

 

事務局:ご入居者が長く住み慣れた居室で最後まで暮らせるのは、ご自宅で暮らすのと同じような感覚で安心できますね。またその陰では、ご入居者の状態変化に対応できるよう、スタッフの皆さんの努力と働きがあることが分かりました。

 

-いつまでも生き生きとお過ごしいただくために-

 

事務局:ご入居者が長く元気でお過ごしいただくために、取り組んでいることはありますか?

 

高橋:ご入居者は、体を動かすことが大切だという意識が高く、体操・ヨガ運動・軽いストレッチ運動・運動浴プールでのアクアビクスなど、運動サークルは人気があります。

コロナで出歩く機会が減り、足腰が弱ることを心配し、フレイル予防の取り組みとして、サークル活動と連動させて、ウオーキング企画を行っています。

スタッフが神奈川県の名所を巡る地図を作成し、ご入居者はウオーキングや運動サークルに参加するごとに、目安表に基づいてポイントを獲得し、その地図上に足跡を付けていきます。

クラーチ溝の口からスタートし、神奈川県の各名所を巡り、大山詣り(伊勢原)をしてゴールを目指します。すごろく形式のゲーム感覚で楽しみながら運動していただけるように取り組んでいて、ゴールしたら記念品としてご当地のテーマに沿ったお土産がプレゼントされます。

ご入居者は、その日の体調に合わせて積極的に歩いたり、体操に参加したりしています。

ご入居者に好評で、非常に喜んでいただいているため、継続して行っており、現在第三弾(千葉県)を実施しています。

 

事務局:ご入居者が、目標を持って自主的に楽しみながら運動に取り組むことができ、その結果健康維持につながる良い取り組みですね。他に入居者同士が交流する機会はありますか?

 

高橋:クラーチ溝の口ならではのご入居者同士のコミュニティに、お酒を召し上がる会があります。

定期的に開催され、バーカウンターがあるダイニングで、日中お料理を作り、夕方からお酒を持ち寄って、作ったお料理とお酒を召し上がりながら、ご入居者同士の交流を深め楽しく過ごしていただいています。

 

-小さな変化や気づきを見逃さず、スタッフ全員で見守る-

 

事務局最後にホーム運営で心がけていることはありますか?

 

高橋:ご入居者様の状態を把握するためには、ご入居者の話を傾聴するよう心がけています。困っていることや不安に思われていることがあれば何でも相談できる環境づくりに取り組んでいます。フロントがご入居者との窓口でオープンな空間ですので、何か困っていることがあれば相談しやすい環境になっています。

 

事務局:フロントスタッフには、ご入居者から具体的にどのようなご相談がありますか?

 

高橋ご入居者から日常生活に関するご相談が多く、困ったことがあれば何でも相談に応じ、一緒に解決できるようにしています。最近では、スマートフォンの操作方法が分からないという相談が多く、スタッフが一緒に操作しながら対応しています。

 

事務局:ご入居者が困った時に頼りになるスタッフが身近にいることは心強いですね。

 

高橋:また、フロントスタッフは、お元気な時からご入居者のことをよく知っているため、日常生活の中の小さな気づきがご入居者の状態の変化を把握することにつながっています。例えば、ご意見番のような方の発言量が減っている、物忘れが多くなっている、食事量が減っているなど、ご入居者のちょっとした変化の気づきを見逃さず、情報を共有します。フロントスタッフ、ケアマネジャー、介護スタッフは、それぞれの職種や立場で感じ方が違う為、それぞれの視点から新たな気づきがあります。スタッフ同士の横のつながりを大切にし、すぐに情報が共有出来るようにし、スタッフ全員でご入居者を見守ります。またご家族には、ちょっとした状態の変化があれば様子をお伝えし、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築き、どうやったら一緒にご入居者を守っていけるのか考えています。

 

事務局:クラーチ溝の口では、ご入居者の生きがいを大切にし、頼りになるスタッフに見守られ、長く住み慣れた居室で最後まで安心して暮らせるよう取り組んでいることがよくわかりました。これからも入居者が「安心・安全に暮らせる」ホーム運営を期待しています。本日はお忙しいところお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。