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有老協・シルバー川柳

「第8回有老協・シルバー川柳」入選作発表

毎年敬老の日に向け公募している「シルバー川柳」に、8回目の今年は8,840作品の応募があり、下記の20作品が入選しました。

(敬称略・順不同)

老人の記憶を試す特別便

藤澤 繁夫(男性/石川県/55歳/表具師)

九十を過ぎても気にする中国産

小川 喜洋(男性/東京都/67歳/アルバイト)

原油高免許を返すふんぎりに

髙橋多美子(女性/北海道/47歳/主婦)

居れば邪魔出かけりゃ事故かと気をもませ

福井アツ子(女性/北海道/77歳/主婦)

足腰を鍛えりゃ徘徊おそれられ

和田宏(男性/東京都/68歳/無職)

あの世ではお友達よと妻が言い

藤本 明久(男性/石川県/64歳/広告事務所自営)

来世も一緒になろうと犬に言い

延沢 好子(女性/神奈川県/56歳/パート)

七夕や夫の願ひをそっと見る

田中 浅野(女性/京都府/84歳/無職)

人の字を真似て二人で支え合い

松川 靖(男性/埼玉県/73歳/無職)

亡き妻と朝は分け合う健康茶

深谷 正雄(男性/神奈川県/89歳/無職)

ボールなげ孫にほめられちょっとてれ

中林 和子(女性/東京都/71歳/主婦)

限界だ元号三つの齢計算

石川  昇(男性/東京都/55歳/銀行員)

遺言を書いた安堵で長生きし

富澤 舜(男性/北海道/83歳/無職)

この墓も入居間近とよく磨く

蓮見 博(男性/栃木県/56歳/無職)

若作りした日に席を譲られて

佐藤 祐子(女性/千葉県/61歳/主婦)

混浴は足湯だったと友ぼやき

徳江 和雄(男性/東京都/80歳/無職)

年寄りに渡る世間は罠ばかり

松尾 軍治(男性/東京都/63歳/飾り職)

医院前紅葉マークの展示場

行村 照子(女性/山口県/77歳/農業)

補聴器をそっとはずして聞く小言

今井 貢二(男性/兵庫県/59歳/会社員)

食事会薬でしめておひらきに

牟禮 丈夫(男性/京都府/79歳/無職)

◇応募状況

 応募総数は8,840作品で、前回の7,202に比べ1,638(22.7%)増え、最近の減少傾向に歯止めがかかりました。(4回目14,127/5回目12,069/6回目7,466)。

 応募者平均年齢は前回(63.4歳)に比べ0.8歳高い64.2歳となりました。これは、65歳以上の高齢者と40~64歳の高齢者予備軍の応募比率がそれぞれ1.3ポイント、0.3ポイント増えたことによるものです。前年までは応募者平均年齢の若年化が続いていましたが、前年に発覚した年金記録問題に加え、川柳募集直前直後の後期高齢者医療制度実施や改正道路交通法(もみじマークの義務化)施行は高齢者の意欲をくじくものだとして、70代を中心とする高齢者が声を爆発させた結果といえそうです。なお、応募者最年長は101歳の女性(前回は102歳の男性)、最年少は6歳の女児幼稚園生(前回は13歳の女子中学生)でした。性別では、前年までおよそ男性6:女性4の割合が続いていましたが、今回は女性が42.6%(前回39.5%)と応募比率を上げました。地域別では、全都道府県から応募がありましたが、大都市圏が上位を占めています。

 

◇題材比率に垣間みる高齢者の関心事

 前年に比べ比率を伸ばした題材は、「世相・風刺」(2.5ポイント)、「第二の人生・自立・希望」(2.1ポイント)、「孤独・不安・諦念」(1.0ポイント)、「仲間・友情」(0.9ポイント)、「死」と「知恵袋・経験・年の功」(それぞれ0.4ポイント)、「隠居生活」(0.2ポイント)、「お金・年金・遺産・遺言」/「高齢社会・長寿国/「思い出・半生回顧」/「恋・色気」/「旅行」(それぞれ0.1ポイント)でした。

 一方、比率を落とした題材は、「容姿(頭髪・皺・入歯・老眼)・しぐさ」(-2.2ポイント)、「おしゃれ」と「物忘れ・認知症」(それぞれ-0.9ポイント)、「体力・気力・健康」(-0.8ポイント)、「夫婦同床異夢・婦唱夫随」(-0.7ポイント)、「身内(子・孫・嫁・親兄弟)」(-0.4ポイント)、「趣味・ペット・生甲斐」(-0.3ポイント)、「IT・若者文化(パソコン・インターネット・ケータイ・メール)」と「ケア・介護・ヘルパー」(それぞれ-0.2ポイント)、「夫婦愛」と「ホーム」(それぞれ-0.1ポイント)でした。また、大幅に増えた「第二の人生・自立・希望」の作品には、前向き思考のものもさることながら、「生活に追われて悠々自適とはいかず、生活費のため働き続けなければならない」との追い詰められた気持ちのものが多数含まれています。

 総括すると、「“軽老”もはなはだしい。物価高騰のさなかに年金から保険料まで天引きされたのでは、見栄や見てくれなんかにかまっちゃいられない。負い目を笑い飛ばしている余裕もない。不足分を稼ぐため、老骨に鞭打って働き続けるしかない」、との怒りと悲鳴に聞こえます。

 なお、最近の出来事・世相・流行を反映したキーワードとしては、「年金」が最も多く、次いで新登場の「後期高齢者(医療制度)」や「もみじマーク」が目立ちました。また、以前からあった「振り込め詐欺」や前年に登場した「メタボ」が根強く残っています。

 

第1回~第7回の入選作はこちら【PDF 233KB】

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